侑哉とイツに海里の相手をしてもらってる間に俺は七海に電話をかけた。

……だけど。


「……出ない」


探してんのかな……。

なら、早く居場所を伝えてあげないと……。


「陽斗、出たか?」

「いや」


俺は首を横に振った。


「ハル兄ちゃん、バスケってすごいね!」

「え?」

「だってあんな高い所にボール入れるんでしょ?
すごいね!!」


………………。

……どうしよう。

何か、メッチャ可愛い。


「そうだ。バスケは楽しいんだぞ~」

「ボクもバスケやりたい!」

「そうかそうか!
バスケに目覚めたか!」


バスケ好きに悪い奴はいない!

それが俺の考え。


「一緒にやろうって言いたいとこだけど……きっとお姉ちゃんが一生懸命海里のこと探してるからな。
また今度やろうな」

「教えてくれる?」

「教える教える!
何でも教えてやる!」

「約束だよ!」


そう言って海里は小さな小指を俺の前に差し出してきた。


「約束、な」


俺が小指を絡めながら笑いかけると、海里は嬉しそうに笑った。