この公園には思い出がいっぱい詰まってる。
忘れられない……忘れちゃいけない場所。
あたしはそっと桜の木の幹に触れた。
「……久しぶり」
覚えてるよ。
ここでハル君と桜を見たこと。
綺麗な桜を……咲かせていたこと。
クリスマスに約束したんだよね。
ここで桜を見ようって。
そしてバレンタインには雪を見たよね……。
ここでハル君のお悩み相談をしたこともあったっけ。
……最後にデートしたのもここ。
ハル君との思い出しかない……あたしにとって大切な公園。
……そろそろ寒くなってきたな。
……帰ろう。
またね、と心の中で言いながらあたしは木の幹をポン、ポンと優しく撫でた。
「……やっぱり、ここにいた」
……デジャブかと思った。
……お父さんの転勤が決まって、学校を抜け出した時も……こうやって探しに来てくれたよね。
「ハル君……」

