「でも……七海が電話してくれてよかった」
《ハル君………》
「……ありがとう」
……もしかしたら来ないかもしれない。
そう、半分諦めかけていた。
だけど、やっぱり話がしたくて……
……こうやって話せてよかった。
《っ………ハル君……》
「七海……?」
……電話の向こうの七海が泣いてるのが分かった。
《あのねっ………》
「ん……?」
《……会いたい……っ》
少し震える声で……七海がそう言った。
《ハル君に……っ……会いたい……》
……俺はスクッと立ち上がった。
そのまま電話を切ると……上着を羽織って……家を飛び出した。
七海がどこにいるのかなんて知らない……。
だけど……俺は走った。
確実にどこかに向かって……走っていた。

