「イツとケンカしたんだって?」
「ケンカ?」
「違うの?
昨日、イツが泣きそうな声で電話かけてきたんだけど。
ハルを怒らせた~……って」
イツ………。
「……あれは俺が悪いんだ。
イツは悪くない」
「じゃあ、何?
香田ちゃんのこと?」
「香田?」
何で香田?
香田は俺達の同期。
香田亜美―コウダ アミ―
「陽斗、困ってそうだったから。
いつも絡まれてんじゃん」
「……この前の飲み会で先輩と一緒にひやかしてたのはどこのどいつですか」
「あはは……あれは悪かったって。
酒のせいだよ、酒の。
普段は先輩達も同情してるんだよ。
さすがに付きまとわれすぎだって」
香田はよく俺に絡んでくる。
最初は抵抗してたけど、最近はそれも面倒くさくなって、くっつかれてもあんまり気にしないようにしてる。
「そういえば陽斗、あの時からおかしかったような……。
え!?もしかして俺達が原因!?」
「違うから。ついでに香田でもない」
「じゃあ……何だ?」

