「栞奈に浦山陽斗がいるって言えば分かるから」
「ストーカーですか!?」
「違うから!!
どこをどう見たら俺がストーカーに見えるわけ!?」
「え……全部」
「確かに……見えなくもない……」
今時の高校生って……怖い。
ちょっと……ていうか、かなり心に深い傷を負ったよ、俺。
「お前ら!!
いつまでくっちゃべってんだ!!」
「ヤベッ……監督が怒ってる……」
監督……?
俺が怒鳴り声のした方を見ると、監督らしき人物が俺の顔を見て少し固まった。
「お前……どこかで……」
「え?」
「監督の知り合いっすか!?
この不審者!」
「だーかーら!
俺は不審者じゃなくて……」
「ハル兄?」
ようやく聞き覚えのある声が聞こえて、俺は慌てて振り返った。
すると、そこにいたのは……可愛い可愛い弟のようなイトコ。
8歳も年下の大和にここまでありがたみを感じたことは今までない。

