「へぇ~、イトコの幼なじみか」

「そ。昔から妹みたいに可愛がってたんだけどさ」

「いつまでいんの?」

「今日の夕方には迎えが来るから、俺が帰ったらもういないと思う」


次の日。

俺は部活の休憩時間に栞奈のことを話していた。


「ハル!!
その子の写真とかないわけ!?」

「え……イツってそういう趣味が……」

「侑ちゃん!?違うよ!
ただ、どんな子なのかなーって気になっただね」

「昨日撮ったのがあるけど……」

「見る!」


イツがうるさいから、仕方なく俺はわざわざ部室からケータイを持ってきて写メを見せた。


「ちっちゃ!いくつ?」

「小三」

「へー、小柄なんだな」

「そうそう。昔から小さいんだよ」

「何かあれだね!
何かに似てるね!」

「チワワね。
昔からよく言われてる」


小さくて、チワワのようなつぶらな瞳。

くぅ~ん……と寂しそうに鳴かれたらほっとけないようなヤツだ。


「……確かに。
言われてみればチワワにそっくりだな」

「見れば見るほどチワワだねー……可愛いー!」

「……陽斗。
イツが危険だから早くしまったほうがいい」

「……分かってる」

「え!?ちょっ……二人とも!?」


イツには絶対会わせないようにしよう。

何か……危険な香りがする。