「今日は香織ちゃんのバースデーだろ!」

「あ……そういえばそうだっけ」


七海がプレゼントを何にしようか悩んでた気がする。

ていうか、そもそも松山の誕生日をイツに教えたのって俺だし。


「香織ちゃん……って、松山先輩のことですか?」

「タク、狙おうとすんなよ!」

「別にそんなつもりじゃ……」

「拓哉。いい子だからこっちおいで」


拓哉は不思議そうな目でイツを見ながら侑哉の元へと避難した。


「ハル……俺は今日男になるよ」

「男?」

「The日本男児!!」


……どうしよう。

俺、ついていけない……。


今日はいつも以上におかしい……。


「男になる……って、どうすんの?」

「決まってんだろ!」

「え?」

「俺……今日、香織ちゃんに告白する!」


…………………………。

…………え?


俺も侑哉も拓哉もポカンとしていた。


「陽斗……何か俺、幻聴が……」

「幻聴じゃない……。
本当だ……」

「イツが……ついに告る……!?」


大袈裟かもしれないけど、俺達にとっては本当にそれぐらい衝撃的で。


もうかれこれ一年半以上片想いしてきたんだ。


そんなイツが……。


「てことで、ハル!
今日俺は部活遅れて行くから……」

「今日はないけど」

「え!?」

「昨日言ったじゃん。
今日はバレー部の練習試合があるから体育館使えないって」

「じゃあ、みんなに喜びの報告できないの!?」

「喜ぶこと前提かよ……」


侑哉の小さなツッコミは聞こえず、一人で騒ぐイツ。


「明日、喜びの報告待ってるな」

「うん!!」


俺が言うと、イツは嬉しそうに頷いた。