「頼む!!
一生のお願い!!」


両手を合わせてお願いする俺。

クラスメートが不思議そうに俺達を見た。


「はぁ?
何であたしが……」

「篠山しか頼めるヤツがいないんだよ!」

「七海に頼めばいいじゃない」


篠山と俺が横にいた七海に目をやった。

七海は小さく笑いながら首を横に振った。


「やりたいけど……あたしは無理かな。
弟が一人になっちゃうから」

「え……お父さんはいないの?」

「うん。
その日は残業なんだって」


そっか……。

海里、寂しいだろうな……。


「クリスマスはあたしにだって用事が……」

「え?萌りん、暇すぎてどうしようって言ってなかったっけ?」

「コラ、七海!
あたしの精一杯の見栄なんだから」


見栄………。


「てことは、大丈夫ってことだよな?」

「……しょうがないわね」

「まぁ、松山もいるから」

「え?香織もいるの?」

「言わなかったか?」

「言ってないわよ。
それを早く言いなさいよ!」


……まぁ、とにかく二人確保ということで。