「萌花!
今度三人でケーキバイキング行こ!」

「ケーキバイキング?
いいわね、今はモンブランとかおいしいし」

「モンブラン………」

「七海はモンブラン大好きだもんね。
顔がとろけてるよー」

「行こ!いつ行く!?」

「んー……そうだなぁ……」

「香織ちゃーん!!!」


後ろからバカデカい声が聞こえたきた。

この声は……

振り返ると、イッ君が手をブンブン振っていて、その横で風見君が呆れたようにため息をついていた。


「大崎君と……侑ちゃん?」

「え!?
七海、侑ちゃんって……」


いつの間に……!?


「この前ちょっと話したらね、いい人だったんだー」

「そ、そっか……」


イッ君……出遅れてるよ……。


そんなことを思ってると、二人がこっちに歩いてきた。


「香織ちゃん、おは……」

「あれ?ハルちゃんは?」

「おは………」

「あぁ……陽斗は……ね」


風見君が苦笑いしながらあたしの方を見た。

……何となく分かった。


「また呼び出し……かな?」

「まぁ、そんなとこ」

「おは………」

「へぇ~……モテモテなのね。
七海の王子様は」

「あ、あたしのっ……!?」

「おはっ………」

「そうでしょ?
ねぇ、香織」

「うん!」


あたしの王子様……。


「おはよう!!」

「「………おはよう」」