「由紀ちゃん…ごめんね?」

柚の家を出てから
無言で柚の前を歩く俺に
怒ってると思ったのか
俺に謝ってくる。

「ん…別に…」

それだけ答えると柚は俺の横に並んで、俺の顔を覗きこんだ。

「今日の部活、終わったら本屋さん付き合ってくれる?買いたい参考書があって…」

「わかった」

柚は満足そうに笑うと、
「ありがとう」
とだけ呟いた。