「とれたっ! コンタクトがずれてたみたいっ」 久野くんがほっと一息つく。 「なんだ…泣かしたかと思った」 ボソッと呟く久野くんの声が あまり聞き取れなかった。 「えっ?」 「なんでもない」 何だったんだろう。 時計を見るといつの間にか 午後の授業は終わり、 放課後になっていた。 しかも、雨が降っている。 「あ、どうしよ。傘持ってきてない」