「今行くよ。」
「巴ちゃん、熱風邪ですって。」
「最近はやってくるからなぁ。大丈夫か?」
「巴ちゃんお風邪?大丈夫?」
母さんと父さんと妹の会話。
熱、か・・・。
風邪を引いたら、いつも俺の家にかけて来て看病してやるのに。
「巴ちゃんからメール来てる?」
母さんが心配そうに俺を見た。
「知らない。巴のアド持ってねぇーもん。それより、飯。」
「全く、何のための携帯かしら?可哀想にお見舞いに行こうかしら・・・。」
「紗枝も行く~!」
「行くなら、明日にしなさい。もう遅い。眠っていたら可哀想だろう。」
父さんの一喝で、見舞いは明日。
紗枝はずっと駄々をこねていたけど。



![A CHEMIST‘S PANIC [短]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.759/img/book/genre9.png)