『好きです。付き合って』 下駄箱の前。 人も居ない部活帰りの昇降口に震えた私の声が響いた。 驚いた顔のあいつが狼狽えて口を開きかけた時 『なーんちゃって! ごめん、これ予行練習なの!!』 私は答えが怖くて、逃げた。 騙されたからか少しショックを受けるあいつの顔を見て、ズキンと痛んだ胸を押さえて作り笑いを見せた。 『なーに?引っ掛かった?』