「咲穂ちゃんみたいになるぞ」 「その名前は出すなよ」 いままで、何人かとは付き合えることができた。 『好き』でも『嫌い』でもなかった。 和田咲穂、元カノの中に一人だけ…特別な奴がいた。 好きではなかった。 明日香ちゃんのことについては関係ねえ。 「とにかくさっさとどうにかしろよ」 「彰人が忠告するとか珍しいな」 カレンダーを見ると5月だった。 「5月か」 なんちゃら悠哉の顔が浮かぶ。 嫌な胸騒ぎがした。