壇上に転校生が上がる。
先生の話通り男が1名、女が2名だった。
俺たちは女子2名を刺すように観察した。
その姿は男子中学生そのものだった。
『なあ…剛。』
英二が真顔で話し掛ける。
『何?今忙しいんだけど。』
剛は少しでもハッキリ見えるよう前に出た。
そして同じクラスになる転校生をハッキリと確認する。
全ての業務を終えた剛は英二のもとに戻った。
『見た?』
剛が英二に聞く。
『待って。せ~ので言おう。』
剛が両手を出して英二を止めた。
『良いか?せ~の…』
《めっちゃ可愛い!!》
見事に二人の声が重なった。

