体育館に移動中も他愛もない馬鹿な話題で持ちきりだった。
話題は年頃だけに女子の話がメインだ。
誰が可愛くなってるだ、誰と誰が休みの間に付き合っただそんな話ばかり。
そしてメインはやはり転校生だ。
教室で先生が説明していた話では、転校生は3名。
男が1名、女が2名。
しかもその一人が剛のクラスに入るとの事だ。
もう気にせずにはいられないのは言うまでもなかった。
新入生の入場に始まり校長先生のくだらない挨拶。
もうそれどころではない。
『次だぜ次。』
英二が振り向きほくそ笑む。
ただでさえ真ん丸の顔が更に丸くなる。
マー君は冷静を装い話題に入ってこない。
マー君はエロ本を持っていないと頑なに認めない筋金入りのムッツリだ。
その上、短気ときてる。
だからこの手の話題はあえて乗ってこない限り振らないように気を付けている。
『では、転校生を紹介します。』
檀上で先生がマイクを手に手招きをした。

