レイン。


次の日。

教室のドアを開けるとそこには不思議な光景が並んでいた。

加奈の席を囲うように女子が輪になっているのだ。

長い物には巻かれろとはこのことだなと剛は鼻で笑った。

しかし剛には一つ不安要素があった。

それは…

『おっはよ~』

元気の良い声が教室に響く。

一瞬、加奈を囲む女子たちの表情が曇った。

こいつこそが剛が不安要素だと感じている女子。

”桑畑 サユリ”だった。

『加奈ちゃんおはよ~。さすが人気物だね。』

サユリが加奈に微笑む。

それまでいた女子が蜘蛛のように散らばった。