レイン。


『ちょ…待って。そんなにしたら…』

男に襲いかかる複数の手。

はらってもはらっても逃げ切れない。

まるでこの世の物とは思えない感触。

次第に男の股間は膨れ上がり波が押し寄せる。

『うわ…出る…』


男は身を硬直させ目を見開いた。

そこに飛び込んできたのは見慣れた部屋の天井だった。

『なんだ。夢か…』

男は安堵と共に股間の嫌な温もりを感じる。

恐る恐るパジャマを捲りパンツの中を覗き込んだ。

案の定、息子から精液が垂れ流れていた。

男は頭を掻きむしりダルそうにベットから降りた。

歩くたびに股間に嫌な感触が襲う。

スッキリしない自慰行為ほど無意味なことはないなと苦笑いした。