あまり人が多いところが好きじゃないわたしからしたら朝の電車に乗っている時間なんて苦痛でしかなかった。
「まもなく、まもなく~・・・」
やっとアナウンスが聞こえた。
もうこれでみんな降りてくれる。
プシュー
電車のドアは開き一斉にいろんな人が降りて行った。
やっとのんびり出来る~
わたしはとりあえず空いている席に座った。
すると、今着いた駅から乗ってくる人がたくさん現れまた電車の中は人でいっぱいになろうとしていた。
まあ席に座れるだけマシだけど。
席で大人しく電車が動くのを待っていると男の人がわたしの右隣に座った。
また、座ってくれた…
わたしの最近、気になる人
それはわたしの右隣にいる男の人
名前も知らないしどんな人かなんて知らない
でも、一つ確かなのは同じわたしが通う高校の近くの専門学校に通っていること。
いつも降りる駅は一緒だし、駅から降りた後はいつも友達と話しながら歩いて学校に行ってる。それに前に一度だけ専門学校から出てくるのを友達が目撃したらしい。
自分がストーカーみたいで嫌に感じるけど、それくらいこの人から目が離せない。
顔が見れなかった日は落ち込むし見れた日は幸せ、今日みたいに隣になんて座られたらドキドキしすぎて胸が痛くなる。
友達には『それって限りなく…恋だと思う。』とか言われたけど、名前も知らない人に恋なんてしたってどうせ叶わない。
それでも、この人を見つけるたび嬉しくなってる自分もいるのは事実。
でも恋とは思いたくないから、『気になる人』
恋なんてしたって、どうせ叶わないんだから…
