そう言いながら手に持っていたコロッケののった皿を沙耶に渡した。


「わー、ありがとうごさいますー。丁度コロッケ食べたいなって思っていたところだったんですよ〜。」

「まぁ、それはよかったわ。それじゃ。」


ドアを閉めると沙耶はさっそく貰ったコロッケを摘んだ。


「ん〜おいしー。まさか本当にコロッケ持ってくるとはなぁ。関さんナイスタイミングだよ。」


そんな事をいいなが貰ったコロッケをどんどんたいらげていった。
しかしコロッケをたいらげていくにつれてだんだん自分の体が透けていく事に気づいた。
声を出す間もなく、沙耶はそのまま消えた。








「…―うーん…」


沙耶は寝返りをうつとふと目を覚まし、むくりと起きた。


「……あれ…?夢…だったのか?」


周りを見渡すと自分がうたた寝する前の風景と全く変わっていない事に気づく。


(なんだ…夢か…。)


沙耶は大きく伸びをした。


「それにしても随分リアルな夢だったなぁ〜。それにあのコロッケ本当においしかったなぁー。あーなんだかコロッケ食べたくなっちゃったよ。」

そう言いながら沙耶はベッドの上でゴロゴロしていた。
丁度その時だった。