ドクンッ
「くっ…うぅ!はっはっはっ!」
「!?おい!しっかりしろ!!」
沙耶は突然胸が痛くなり呼吸が苦しくなったかと思ったら激しいめまいに襲われた。
その後落ち着いた沙耶は医者から軽いパニック障害を起こしていると訊かされた。あの事故を目の当たりしてしまったのが原因らしい。だがあのあと特に激しい症状もみられずあとニ、三日すれば退院できると言った。
沙耶は退院する前に同じ病院にいるあの男性に会うために外科へ向かった。
依然として目を覚まさない男性は集中治療室の中にいた。沢山の機械に囲まれている。
その痛々しい姿を目にして胸が熱くなった。
「ごめんなさい………」
ガラス越しに言った言葉は誰の耳にも届かず消えた。
その後退院の日を迎えた沙耶はあの医者たちにお見送りをしてもらっていた。
「退院おめでとう!でもまた症状がでるようならすぐに病院に来てね。」
「あっはい。」
笑顔で見送ってくれる医者の武藤にたいしどこか元気のない沙耶。
「どうかしました?」
心配して顔を覗き込まれた沙耶は急いで顔を上げ何でもないですと答えた。


