今度はかなりボックスの中をかき回している。そしてその中のこれだと思う1枚を勢いよく引っこ抜いた。なぜこんなにも必死になっているのかは本人も謎であった。引き抜いた1枚を勢いよくめくるとそこにはやはり何も書いてなかった。


「あー残念でしたねぇ〜。はいどうぞ。」


またしてもポケットティッシュを渡された。沙耶はそれを渡しながら残念だねと残念そうに言わない係員に無性に腹がたち、最後の一投をボックスに突っ込んだ。



(あーもー!絶対にハワイ当ててやる!……そうだ!)



沙耶は何かひらめいた様で、ボックスの中で手をかき回しながらそっと目を瞑った。



(ハワイ旅行が当たればいいのになぁ〜!)



沙耶はハワイ旅行のチケット欲しさにそれを望んだ。もう、一つの望みをこの夢の中で念じた事も忘れて……。


カッと沙耶は目を見開いた。


「これだぁぁぁ!!!」


雄叫びと共にボックスの中からくじを勢いよく引き抜いた。沙耶はもう自分を見失っていた。



(どうか…特賞でありますように…!)



切に願うと引き抜いたくじをゆっくりとめくった。すると今度は徐々に何かの文字が見えだしたのだ。