夢をみているのにいくらなんでも、1,2分で目が覚めるとは考えにくい。
どういう事かと考えているとはっとひらめいた。それを調べるためにもう一度携帯を見る。


「思った通り。」


見たのは時間でなく、日にちと曜日。ディスプレイに表示されていたのは“今日”のものではなく“明日”のものだった。


「なるほど。夢を見た日に実行されない望みでも叶えられるんだ。」


沙耶は携帯を鞄にしまうとまた店を物色し始めた。今買い物をしなければ明日同じ事が繰り返されないので、沙耶はしっかりと見てまわった。





数時間後、手には沢山の荷物を吊していた。


「ふー、やっぱり安いわ〜。」


満足げにエスカレーターに乗っていた。しかしそこで当初の目的を思い出した。


「はっ!そーだ!私買い物するためにわざわざ夢の中に来たんじゃないよ!!」


しまったとばかりに急いで望みを念じる。



(空を飛びたいなぁ〜)



念じ終わると、さぁどこからでもかかってきなさいと云わんばかりに構えた。
その時だった。


「…特賞が当たればいいよねぇ。」


「まぁあり得ないけどね。はは。」


二人の女性の会話だった。