お兄ちゃんに彼女ができた。

「ちょっとちょっと、お兄ちゃん!?」
 高い声をよりいっそう高くして、ヒステリックに叫ぶその女の子。
 胸辺りまである、ダークブラウンのふわふわの髪に、髪と同じ色をした大きくて勝気なくっきり二重の瞳、長い睫毛。真っ白な肌に、形の整った桃色の唇。かなりの美少女だった。
 彼女はみたことのない、可愛らしいデザインの制服を着ていて、胸は程よく大きく、腰は括れている。短いスカートから伸びる足はすらっとしていて、袖まくりした腕も細い。スタイル抜群だ。

「あ、す、すみません」
 店内のあちこちから注がれる注目の視線に気付いたのか、彼女は我に返った様で早々に謝った。
 また店内に賑わいが戻るのを見計らって、彼女はつかつかとこちらの席に歩みよってきた。
「はあー、ったく」
 里志くんが、本日二回目のため息を吐く。