お兄ちゃんに彼女ができた。

「……あの女の何がよかったの?」
 突然、美里がストレートに訊いてきた。
「まさか、脅されて……」
「んな訳ねーだろ!」
 俺は美里の言葉を遮る様に突っ込んだ。
「じゃあ、どこまでやった?」
 またしてもストレート。超直球。本当にあつかましいなコイツは。
「絶対言わねえ」
「手繋いだ? ハグした?」
「……」
 俺は何も答えず、目線を漫画に戻した。
「ちゅーした?」
「……」
「えっちした?」
「それはない」
「あーっ! じゃあ、ちゅーとかはしたんだ!」
「か、関係ねーだろっ!」
 俺はがばっと顔を挙げた。さすが双子だけあって、美里は俺の扱い方を心得ている。しまった……。
「お兄ちゃんの変態ーっ」
「なんでだよっ!」
 美里は、いやああーっとヒステリックに頭を抱える仕草を俺に見せてから、俺の部屋から出て行った。
 なんだったんだ、一体……。
 嵐が去った様な静けさを感じながら、俺は漫画の本を閉じた。