里志くんが、私の腕を掴んでいた手を離す。その手で今度は私の手のひらを握りしめた。私は指を広げ、里志くんの指の間に自分の指を絡める。
 私は俯いた。顔を見られたくないから。……恥ずかし過ぎて、死にそうだから。
 と、そのとき、里志くんがもう片方の手を使って私の顎をくいっと優しく上げた。同時に、身長が低い私に合わせて腰を少しだけ屈める。