不意に、さっきのことを思い出す。
 里志くん、私のこと可愛いって言ってくれたよね。それは、美里ちゃんに対抗して? それとも、普段から……。
 私は無意識にぽぽっ、と頬を赤らめてしまった様で、それに気付いた里志くんは歩きながら私の顔を覗き込んだ。
「顔赤くない? 大丈夫?」
「う、うん! これはその、恥ずかしいだけだから」
 正直に答えると、今度は里志くんの頬も少しだけ赤らむ。どうしよう、ものすごくドキドキする。