お兄ちゃんに彼女ができた。

 そっか、私達は友達だ。私は漠然と思った。
 その事実は、嬉しくもあり、切なくもあった。
 私達は委員が一緒で、クラスが隣同士ってところから知り合って、何気なくメールアドレスを交換して……。
 気付けば友達になっていた。
 それからお互いのことをよく知って、よく顔を見る様になって、よく話す様になって……。
 気付けば意識していた。……好きに、なっていたのかもしれない。

 そのときの私は気持ちに気付いたばかりで、里志くんと友達になれた嬉しさと、里志くんの恋人にはなれない切なさが、頭の中でただぐるぐると混ざり合っていた。