今日は里志くんのおごりで、遠慮せず何人前でも食べてと里志くんにも里志くんのおばあちゃんからも言われている。
「まあ、言ってくれたらいつでも奢るけどな。何人前でも!」
「そんなに食べれないよ」
 私は笑いながら答えた。偶然側を通りかかった里志くんのおばあちゃんが、ニコニコしながら話しかけてくる。
「ちゃーんと里志の小遣いから引かせてもらうからね。だから、遠慮せずたくさん食べなよ! ね、里志?」
「あー、やっぱり?」
 里志くんが苦笑した。そんな里志くんを見て、私もおばあちゃんと笑う。

 里志くんの家に来るのは初めてだったので、最初はかなり緊張していたけど、おばあちゃんの気さくな様子を見てすっかり緊張の糸は解けていた。
 おばあちゃんが立ち去ってから、私は里志くんに話しかける。
「おばあちゃん、すごく元気だね」
「元気すぎる。ちょっとうるさいよ」
 里志くんはそう言ってまた苦笑した。私もつられて笑った。