俺が5歳の時、お袋が死んだ。


そん時、姉貴が俺を抱きしめ「誠。泣いていいんだよ。いっぱい泣きな。大人達に見えない様にお姉ちゃんが抱いててあげるからね。」


ガキのくせに俺は周りの大人達に心配や母親が死んだ事で同情されたくないと強がり人前で泣かなかった。


姉貴はそんな俺を見透かし誰もいない子供部屋で母親恋しく泣きじゃくる俺をずっと抱きしめていてくれた。


母親がいなくても親父が忙しく留守がちでも俺は寂しくなかった。

姉貴がいつも側にいたから。


今度は俺が姉貴を救わなければ…今の姉貴を置いて会社に行けやしない。


…いや…待てよ!


置いて行けないなら連れて行けばいいのか!

俺は急いで携帯を手にした。