2人、口を揃えて


「大魔王の餌食!!」

「彼女達は仕事より魔王と恋愛に発展してあわよくば寿退社が目的じゃない。」


「理想と現実にもかなりのギャップがあったんです。」


「魔王はかなり優秀だから部下にも自分と同じレベルを求めるの。もちろん女子社員にもね。」


「実際に配属された女子社員達も優秀だったんですけどね…。」


「些細なミスでも一目を憚らず罵倒する、憎まれ口をたたく。『馬鹿! ポンコツ! 学校に行ったのか!!』」

「プライドを傷つけられて口答えや中には食って掛かった人もいたみたいですが…」


「いたみたいですが?」

「一目睨みつけて…。」

「睨みつけて?」


「……お払い箱です。」

「………。」


「なまじ凄いイケメンだから睨みも迫力があって餌食になった娘【こ】達はしばらく夢に課長が出てきてうなされて不眠症になったとか?…噂だけどね 。」


「いつの間にか『毒舌大魔王』て社内で呼ばれだしたんです。」