何となく課長の左耳が私の手に触れた瞬間、幼い時の記憶を思い出した。


「たっくん…?」


囁いた私の声が課長の耳に届いた。


課長が驚きを隠せない顔をして私を見てる。

「美沙…お前…。」


「課長がまさかたっくんだったなんて…。」

私も課長と同じくらい驚いている。


何時も私を助けてくれた。たっくん…。