黒羽の裏切り

「そ。消される。

いちいち罰なんか設ける前に、仕事ができないやつは片っ端から削除。」



え…


そんな平気な顔、よくしてられるな…


消されるってもはや殺されるみたいなもんでしょ…



なにそれ…


「まあそんな心配すんな、人間なんて腐る程そこら辺にいるんだし。

達成できないなんてことは滅多にねーよ。」



「…。」



何も返す言葉がない。

なんて、なんてむごい世界にひきづり込まれてしまったんだろう…





「じゃ、ま、そうゆうことだから。


欲望の玉は、ある人間をターゲットに決めてしまえば自然と手のひらに現れるから。


とりあえず今日はもうあんま時間がないから早く始めた方がいい。」



「え、あ、ちょっと…!」




私の引き止める言葉なんてお構いなしに、ゼロは飛んで行ってしまった。




ターゲット…


てかノルマって何…

ほんとに…


一週間に3000人かあ…


一日500人くらいを目安にすればいいのかな…



て!なにやる気になってるんだし、自分!



そういうことは、こういう仕事みたいなのを毎晩やんなきゃいけないってことなのかなー…




それもそれで、ダルいな…



確かにあの家から出て空を飛び回りたいとか思ったりもしたけど…



なんかこれは違う気がする。



いや、だいぶ理想とは違う。