黒羽の裏切り

ゼロはもう飛びなれているからかもしれないが、スピードが速い。





ビルの間を軽快に潜り抜けていき、必死に後を追わないと姿を見失いそうになる。








ほんとに・・・はやいな・・・







息切れをしながら勢いよく飛んでいると、前でやっとゼロが止まったのが見えた。








ほっとしながらも、すぐさま隣へ並ぶ。







ゼロは真剣な表情で下の道行く人々を見ていた。






私もその視線を追う。








特になにも変わったことはみうけられなかったが、とりあえず今、青山あたりにいることくらいは分かった。







たまに一人でぶらぶらするから、景色には見覚えがある。







夜には来たことがなかったが、さすがに深夜の1時前、昼間より人通りは少なかった。


まあ、都会なのでそれなりに人がいることは確かだが。