黒羽の裏切り

泣きそうになりながらも前を見ると、

もうゼロはどんどん勝手に進んでいて、

後もう少しでビルの合間に消えて言ってしまいそうだった。







まじで・・・まじでおいてくつもり?







「ちょっと待って!分かった!ついていくから!お願いだから、こんなとこで一人にしないでっ

やることやったらちゃんと帰らせてくれるんでしょ?」





泣きそうになるのをこらえながら、必死に相手に呼びかける。





するとゼロは飛ぶのをやめ、こっちを振り向いた。





「あー、まあそれが懸命な選択肢だろ、んじゃはやくついて来いよ、目的地でいろいろと仕事のやり方おしえっから。」




一瞬口元が笑ったように見えたが、すぐに冷めた顔で、それだけ言うと、また前を向いて飛び進んでしまう。






え?

待ってくれないの?



「ちょっとま・・・って」




そういいながら、ゼロに言われたように、歩み寄る感じで勢いよく前に体を傾けた。



すると、

すーっと



体が前に動いた。