黒羽の裏切り

慌てて周りを見渡した。






え・・・







息を呑む。









よく見ればあのマンションの屋上のすぐそばで・・・






自分は・・・・




浮いている。







えええええええええええええええええええ!





全然気づかなかった!







ゼロの無理やりで、理不屈な態度への怒りで頭がいっぱいだったせいか、まったく腕を離されていたことを忘れていた!






うひゃー、すんごく怖い、やばい、どうすればいいのか分からない。





てかこれって自分の羽がちゃんと動いてるってこと?






高所恐怖症じゃないのが唯一の救いだけれども、



でも・・・・




これは怖すぎでしょー



なにこれなにこれなにこれ。






ちょっと下を見たら、地面が遠すぎて吐きそうになった。






え、これ、どうやって降りればいいの。






しかも、ゼロの言うとおりだ。





仮に降りることができたとしても、羽のしまい方とかも知らないし、深夜だし、部屋への戻り方も分からない。





マンション内に入れるわけがない。




しかもこんな薄着のワンピースを真冬に着ているバカがどこにいようか。




うう・・・