黒羽の裏切り

気づけば自分はキッとゼロの背中をにらんでいた。






「あのさあ、なんか私のせいみたいにさっきからいろいろ文句言われてんだけど、私自身はこんなことになりたいとも思ってなかったし、


てか勝手に人ん家に上がりこんできて、運命がどうちゃらとか意味不明なことわめきちらしてさ、


そんでもって何?

これをいまだ受け入れてないのがバカみたいな態度とられて。



私には拒否権はないの?私の意志は?悪魔になりたいか、とかそういうのは一切聞いてこなかったじゃん!



正直言ってこっちが迷惑!

ありえない!

こういうお遊びは好きな人たちでやってればいいでしょ!」





気づけばもう自分の怒りを収まりきれなかった。



とりあえずここ最近、ずっとストレスの原因となっていた心のうちをとうとういってしまったという感じ。


いや、正確にはわめき散らしたというか・・・






言い過ぎたかなと少し反省をし始めたとき、いきなり腕を離された。




目の前には無表情でこっちを見つめるゼロ。






あまりにもその顔が不気味なので、ちょっと後ろに離れる。





「な・・・なに。」




さっきとはうって変わって、か細い声しか出てこない。