黒羽の裏切り

はあ?







死ぬとか、笑い事じゃないでしょ?





でも今はさっきので変に上がった心拍数を沈めるのに必死で突っ込む気力もない。





気づけば、確かに自分の体は浮いているけど、地面は足元から数センチしか離れていなかった。






これって・・・・






もしかして、本当に地面に落ちる寸前だったってこと?








考えるだけでも恐ろしい。





いや、でもちょっと待てよ、実際に落ちたわけじゃあないんだし・・・・







ていうことは自分、飛んで・・・





「おーい、ぼーとしてないでさっさと行くぞ。飛び方がやっと分かったとこだし。」






もう一回上を見ると、もうかなり頭上でゼロがこっちを見下ろしていた。






女の子をマンションから落としておいてすごくへらっとした顔をしている。





「え、ちょっと・・・行くってどこに?何?どうすればいいの?」






必死ですでに遠ざかっていくゼロの背中に返事をする。





「あー、だからとりあえず俺に向かって、飛んで来いって。一回羽が動けば、後は歩み寄る感じでこっちにくればいいから。」