「いや、いやいやいや。ここ42階だよ?落ちるよ、そんな危ないことしたら。無理無理。」






ちょっと窓から後ずさると怒ったような、めんどくさそうな顔をしてくる目の前の美少年。






「はあ?じゃあお前どうやってその部屋から出るんだよ。部屋の中で羽とか広げると窓に引っかかるぞ。



とりあえず大丈夫、窓から落ちて、その瞬間にネックレスを握ればすぐに飛べるから。」








・・・?!



「はああああっ いや、無理。ますます無理。落ちるとか怖すぎる。確実に死ぬ。」






おびえた表情を向けると、いきなりゼロが窓枠から身を乗り出し、手首をつかんできた。






「あー、もうめんどいからじゃあとりあえず外に出んぞ。時間ないし。」






「へ?

いや、いやいやいや!普通にエレベーターつかって・・・」






必死の抵抗もむなしく、すさまじい力で引っ張られ、気づいたら空中でゼロに担がれていた。






目の前には遠くにある地面と、ゼロの羽と背中。






なんか全然可愛くない、てか42階からの景色がだいぶ悪い担がれ方をされている。






「ひや、怖い怖い。いいからいますぐおろして、やだやだ、死ぬ。」






「おい、騒ぐなよ、お前、今ここで落ちたらそれこそ死ぬぞ。」






その言葉を聴いて、ゼロの腕の中で暴れていた動きを止めた。






う・・・




確かに。それはそうだ。