黒羽の裏切り

「え、何?イケメン転校生?いーねー、青春の予感じゃん、二人ともっ」


中村さんはなんか呑気に発言している。



「いやいや、うちも南もこんなつまんない高校で青春とかありえないから。」




「えー、もうちょっと二人は積極的に友達作りすればいいのにー…

二人ともかわいいからすぐできるって。」





「いや、それ意味わかんないよ、中村さんっ
第一、南はまだしもうちは全然かわいいのかけらもないから。

しかもあんな目立つ生徒、友達にしたくないよ、


ね?南」






そういいながら南を振り向くと、あいつはいまだに本を読んでいる。



…まあ、いいや。






「えー、そ「あ、でもさあ、あの転校生、雰囲気がだいぶのあに似てるよね。」



中村さんの言葉を遮り、



南がいきなり発言してきた。







「え?」






また南の方をみるが、まだ本に夢中のように見える。






「え、なにいきなり。てか聞いてたんじゃんっ」





呆れた顔で言い返すが、南は変わらず本に目を向けたまま。







「うーん、ごめん、ただちょっと思ったから。」





興味なさそうに言い返す目の前の読書少女。





「えー、てか転校生のこと見たんだ?」





「うーん、まあ見たっていうか、こっちにくる時廊下ですれ違った。

オーラがすごくて一瞬であの噂のやつだって分かったし。」








「え、あの人あの女子の群れから脱出できたってこと?すごいな。」






「うーん、よくわかんない、そこら辺は。

あまり気に留めなかったから。」





あー、だいぶ南らしい。