黒羽の裏切り

見ればもう数学の教師が教室に入っていて、授業がまさに始まろうとしている。






えー、まじかぁー、教科書、まだロッカーに取りに行けてない…






隣のやつに見せてもらうのもだるいので、




もうこの授業は寝てすごすことにした。






数学なんかどうせ眠くなるし…








キーンコーンカーンコーン





授業終了のベルに心地いい昼寝から起こされる。






あー・・・


もう昼か・・・



授業が終わり、周りがかばんから弁当を取り出し、仲良しグループの子達と食べ始めるのをぼんやり見ながらそう思う。





とりあえず私も行こうっと





教室がますます騒がしくなる前に出なきゃ

と思っていたのだが、



今日はもうすでに



騒がしい気がする。





特に後ろが。






ちょっと気になって振り向くと、





学年の中心的なうるさいチャラめの女の子達が数人、一番後ろの席に群がっている。






そしてその中心には、



あのイケメン転校生がいた。





あ、そういえば新しい子はいったな、


とようやくさっきまでの出来事を思い出す。





どおりでいつもより騒がしいのかあー…