バチッ




と目が合う。







しかし、ほんの一瞬こっちを見ただけで、彼はすぐに担任のほうに視線を戻した。






「おーし、お前らー、次の授業が始まる前に簡単に紹介しとくぞー。


見てのとおり、このクラスに転校生が入ってきた。


はやく席に座れー。」





その担任の声と共に、周りのみんなが話をやめて自分の席へと移動する。






私もあわてて自分のいすに座りなおした。






「ちょっと朝はいろいろとあって参加できなかったんだが、

次の時間からお前らと一緒に授業を受けることになった、



川峰梨尾(かわみね りお)くんだ。



まだ入ったばかりで何も知らないと思うから、

最初のうちはみんなでいろいろ教えてあげろよ。」




キーンコーンカーンコーン






ちょうどそこで次の授業開始のベルが鳴る。





「あ、じゃあもう自己紹介とかはできないから、とりあえず川峰、お前はそこの空いてる席に座りなさい。」






先生は私の席から2個後ろに離れた席を指差した。




そういえばそこは一番後ろだ。





「あ、はい、分かりました。」




彼はそれだけいうと静かに指された席へと向かう。





「あ、じゃあもう次の授業の先生が来てるから、授業に戻れー。」




担任は最後にそれだけいうと、さっさと教室から出て行ってしまった。