「はーあ、結局誰も迎えとかこないんじゃん。」






授業中、窓から外を見ながらボソッとつぶやく。







もう、12月に入ってしまった。



雪はまだ降っていないけど、だいぶ寒くなってきた。





あの、悪魔悪魔って騒がれた日から、



もう2週間半以上が経過。




あとちょっとでちょうど3週間だ。







結局、夢だったのかなー…






今でもそんな気がしてならない。





ただ、そう思う度に、

首にかかった金属の冷たい感触と、


タンスの中に大切にしまわれた黒いワンピース、ブーツ、そしてあのへんなめがねの存在が頭をよぎる。






あの品々だけは、あの日の出来事がちゃんと起こったという証拠だ。








いや、実はほかにもいろいろと不可解な現象はある。



たとえば、英語の時間。






あの日以来、あんなに苦労していた英語が、いとも簡単に理解できるようになってしまった。



発音だって、自分でも驚くほど完璧。





まあみんなには怪しまれたくないから、音読のときはあえてカタカナ英語にしちゃってるけど・・・・




それに、ほかの言語だってなんなく理解できるようになっていた。





店内で流れてくる、kpopだって、テレビで放送されるフランス映画だって、youtubeで人気のロシア語の動画だって・・・・





不気味なくらいに全て理解できてしまうのだ。





さらには、周りの自分に対する視線の違いにも気づき始めていた。