どのくらい時間がたったんだろう。






だんだんと意識が戻ってくるのがわかる。






気づけば心拍数も正常に戻っていた。






視界もまだ若干ぼやけているが、手の中のハートが見えて。くる




その小さいオブジェは動きをやめ、色も前の真っ黒に戻っていた。











でも空気がなんか違う。




照明も、家のより断然暗くて、ほのかに明かりが見えるくらい。




んーと・・・どこここ。




「のあちゃん、大丈夫?」




隣から甘い声が聞こえてくるので横に振り向くと、心配そうな、やさしい顔をしたユゥが立っていた。




「あ。・・・・うん。」




「はあ、よかったあー。とりあえずワープはちゃんとできたよ。



時間がないからさっそく行こうか。ついてきて。」




ちょっと強めに手を引かれる。



「あ、いや、ちょっと・・・ここどこ?どこに行くの?」



一応ついて行きながら聞いてみる。





「えとねー、ここは石川県あたりの森のはずれにあるバーだよ。


これからね、羽の準備をここでしてもらうから、とりあえず早く行こう。」




ユゥはこっちを見ずにずんずん暗い店内を進んでいく。



「え?バー?」



そういえば目が暗闇に慣れてきて、よく見渡すと


確かにお客がちらほら座っていて、まさにオシャレなバーになっている。




ていうか・・・



石川県?!



東京都内にさっきいたばっかだよね?




ワープって・・・・



ほんとだったんだ。