黒羽の裏切り

・・・・・て!




こんなことをしている場合じゃないっ






はやくブーツを履いて戻んないと・・・・




とりあえず何者かもいまいちわからないし、何をされるかもわからないけど、





従わないと確実に殺されそうな感じだった・・・・






あのユゥの、耳元で囁かれた不気味な甘い声は、背筋が凍るなんてもんじゃない。




獲物をおびえさせるような、そんな感じだった。





本当にあの時は命の危機を感じた。






あれが、その悪魔というやらの力なのだろうか・・・・





そういえば消えてしまったゼロっていうやつにも変な催眠術みたいなのかけられたっけ?





ま、今はとりあえずブーツをはかないと。







真っ黒のブーツもまたあの夢のと同じだった。




ちょい膝上まであって、3センチくらいのローヒール。





最後に鏡でもう一度自分の姿を見てから、脱衣所のドアを開ける。






「うわっ!」




「きゃああああ」





開けた瞬間、どこから来たのか、



ユゥが突然飛び出してきた。