黒羽の裏切り

するといきなり肩をつかまれ、ぐいっと引き寄せられた。




ユゥの顔が近すぎて変に心臓がばくばくしだす。




「うーんとだからあー、さっきも言ったけど、



人間じゃなくて悪魔。」



耳に息がかかる。


しびれそうなほど甘い声だ。






「この世界に存在するのは人間だけだと思ってた?」





「・・・・・・。」





息が詰まり、なにもいえなくなってしまう。





そしてその甘いささやきはまだ続く。




「説明はついてからじっくりするからさ、




今はその服に着替えてほしいんだけど?






それとも・・・・・






着るのにお手伝いが必要な感じ?」






/////////顔が熱くなるのがわかる。



やけに心臓が音を立て、冷や汗までかきそうだ。








ああ、もう意識も遠のきそう・・・・




そんな時、


やっとユゥが耳元から離れ、変な呪縛が解けた。






我に返って勢いよく振り向くと、そこにはあいかわらずかわいい笑顔のユゥがいる。




「ちょっと、なにすっ」



するとユゥは今度は手をつかみ、こっちと目を合わせてきた。






「あのさあ、俺時間ないんだよね。」





顔が見たこともないくらいにダークなオーラを放っている。




「さっきから気づいてるとは思うけど、



俺らっていろいろ力持ってるから。







あんまいい子にしてくれないと、




なにされるか保障はできないよ?」








その甘い声には重みが増し、表情もだいぶ先ほどのまでの軽率さが消えている。





冷や汗をかかずにはいられない。




確実に何かされそうな雰囲気だ。