黒羽の裏切り

少し、沈黙の後、





「はあ?お前って頭悪いわけ?



もっとわかりやすく説明しろって??」






ゼロの顔がだいぶさっきから険しくなっている。





正直言って、すんごく怖い。






「まあまあ、ゼロ。落ち着きなって。最近機嫌悪いのはわかるけど、いきなりこんな状況におかれたのあちゃんの気持ちも理解してあげなよ。」





そういいながらゼロが後ろに引っ張られる。




「とにかくもういいよ。ちょっと戻って落ち着いたほうがいい。まだ容態は安定してるわけじゃないでしょ?」




気づけばあの甘い顔のやつは羽をしまい、元の姿に戻っていた。





「・・・・・ゼロ、だいぶ顔色悪いよ。ここは俺に任せてさ、先に戻ってな。のあちゃんはちゃんとバーまで連れてって羽の準備してもらうから。」






そういいながらそっと私の手をつかんでゆっくりこっちにまぶしすぎる笑みを見せてくるあの甘い声の主。






そういわれて見てみると、あのゼロっていうやつはだいぶ具合が悪そうだ。





眉間にしわを寄せ、険しい顔は相変わらずだが、怒っているのではなく苦しんでいるような表情に変わっている。





すると一瞬目を閉じ、すぐに冷静な顔に戻った後、こっちを向いた。




「はあ・・・・・ああ、ごめん、ユウ。ちょっと俺先に戻るわ。あとはよろしく頼む。指令も入ってたし。」