そして真上を見ると、
はるか遠くの夜空に私と同じような格好をして空を飛んでいる集団が見えてくる。
「あ、いかなきゃ。」
そこからすぐさま離れその群れに加わり、都会の夜空をひたすら飛び続ける。
すると何分か後に、
群れのリーダーらしき人物が紫に光る玉を手にし、
ゆっくりと町へと降下し始め、
群れもそれに続き降下していく。
ふと、自分の手元を見ると、
なにか紫の光が見える。
リーダーが持っていた、あの玉だ。
そのリーダーはゆっくりと手を振りかざし、
人ごみの中へと消えてゆく。
それに続き群れも吸い込まれたように人ごみに消えてゆく。
しかし、私だけいつも置いていかれてしまう。
というか、人ごみに入ることがなぜかできないのだ。
ただむなしく周りの人たちが消えていくのを見守ることしかできない。