黒羽の裏切り

「幹部っていうのは基本的にはサタンを守ったり、相手をこらしめる強力な能力を持っているものでしか加入することはできないんだけど、



やはり回復能力をもった悪魔が一人しかいないってことでゼロは重宝されてるんだ。」






「そう・・・なんだ。


でもさ、なんで一度に一人しかその能力を持った悪魔は現れないの？


もっと増えるようにしたらいいんじゃない？



結構治す力って重要だよね・・・？」






「あ、うん・・・

そうなんだけど・・・



なんで一度に一人なのかはちょっと私には分からない。

ごめんね。」



そこで申し訳そうな表情をするサラちゃん。


なんか意味深・・


でもそれ以上深入りするのは良くない気がしたのでちょっと話題の方向性を変えてみる。




「ううん、いろいろ教えてくれてありがとう。

じゃあ幹部っていうのは特別なんだね。ゼロはちゃんと普通の任務もこなしてるけど。」



「あー、まあそれは悪魔によるかな。

ゼロと違って、普通の任務は課されてない悪魔も結構いるし、パートナーをもたないのもほとんど。」




「じゃあ、ゼロはそういう意味では幹部としてはめずらしい存在ってこと？」




「うーん・・・そうなるのかなあ？



でも幹部のメンツは全員は把握してないんだ。

あの人たちはサタンの右腕的存在で、もっとも信頼をおかれているから・・・


容易に存在がばれたりすると天使の目につけられることもあったりするからさ、

幹部だっていうことを表に出してないのも多いよ。



だから仮に幹部の一人だとしても分からずに接したりすることだってあるだろうし・・・


まあゼロの場合はあちこちを飛び回ったりしてるからもう大体のやつらには幹部だって知られてるけど。」