「はーあ、ばかばかし。」



一人、部屋で言い聞かせる。





今日は胡桃もいないことだし、

久しぶりにこの時間帯にシャワーでも浴びちゃおっかな。



着替えを持って、お風呂場へとゆっくり移動する。



めんどくさいからお風呂は沸かさない。
簡単にシャワーだけで済ませよ。



胡桃と、いまいましい男がいないせいか、やけに家の中が広く感じる。


いや、まあもともと広いんだけど。




胡桃がいないことと
この広い部屋を独り占めできる喜びに、

ちょっとだけ浮かれてる自分もいる。



「♪~♪~」


シャワーを浴びながら鼻歌なんかも気づいたら歌っていた。


そして、一通り浴び終わると、

寒い脱衣所へと足を踏み入れ、すぐさまバスタオルがかかっているところに手を伸ばす。




が、そこにはバスタオルがない。


「ええー、まじで、一枚もないじゃん。」


そんなことを心の中でつぶやき、しぶしぶと新しいバスタオルがしまってある戸棚へ向かった。



寒すぎて、死にそう。


早く体を温めたくて、裸のまま小走りでいく。